寝る姿勢で疲労回復~どんな姿勢で寝ていますか?~

仰向けで寝るのがあまり好きではなくて

 「仰向けで寝るのがあまり好きではなくて、気付くと横向きに寝ることが多いんです。」

 

というお話を伺いまして。

 

そう言われてみれば、私も、小さい頃は、他人の家で寝る際には、直立不動のような「きをつけ」の形でずっと寝ていたと言われたほど、仰向けで寝ることが多かったのに対し、今は、横向きや、うつ伏せで寝始めることも多々あります。

 

どんな姿勢で眠ることがベストなのだろう?と疑問に思ったので、今回は、「寝る姿勢」について書いてみようかと。

 

実は、「寝る姿勢」や「寝返りの有無」によって、人により、疲労感を残すことになったり、症状を悪化させたりする可能性もあり。

 

高すぎたり、低すぎたりする枕や、自分の身体にとって硬すぎたり柔らかすぎるマットレスも、様々な影響を及ぼすようです。

 

質の良い眠りが美肌を保つポイントでもありますし、人生のおおそ1/3を費やす睡眠時間には、その姿勢のみならず、より自分に合った寝具を選ぶなどの環境整備も、重要なポイントと言えそうです。

 

寝る姿勢の種類と特徴

寝る姿勢には、様々な体位があるようですが、その中から、7つほどピックアップを。

 

(1)あおむけ(仰臥位:ぎょうがい)

定番の姿勢で、特に男性に多くみられる姿勢。

胃液も戻りにくく、人が眠る際の自然な姿勢でもあります。

 

ただし、40肩・50肩の人(現在の私)にとっては、重力により肩関節に大きく負担がかかるため、痛む原因となります。痛い方の肩側にタオルなどを補充することで、痛まない姿勢を作るなどの工夫が必要です。同様に腰痛持ちの場合も、この姿勢が苦しくなる可能性が。

 

プラス、睡眠時無呼吸症候群の人も、気道が狭くなりがちな姿勢のため、横向きの姿勢の方が無難と言えます。

 

(2)うつぶせ(伏臥位または腹臥位:ふくがい)

男性より女性の方が、この形を好む人が多いようです。

あおむけの姿勢より、腰や背骨にわたる緊張がややほぐれる姿勢とも言われています。そして、高齢者に多い「誤嚥性肺炎」にも、陥りにくい姿勢と言われています。

 

ちなみに、40肩・50肩の場合、その慢性期から回復期にかけては、ベッドなどの高さのある寝具にて、この姿勢で痛い方の腕を床にたらし、腰を左右にユサユサ揺らす(私は100回前後、時間で言うと5分程度揺らしています)ことで、固まった肩の形をほぐしていくという40肩・50肩のリハビリが、効果を得ています。

 

そして、この姿勢で注意が必要なのが、寝返りができない赤ちゃんや高齢者の場合、窒息の可能性が高い姿勢でも。

 

(3)横向き(側臥位:そくがい)

こちらも、腰の負担が軽減されるため、腰痛持ちの場合や、どこかしら痛みを緩和するために、このような姿勢になっていることも多いようです。

 

(4)横向き(足ねじれ)

横向きに寝て、腰から下を更にねじってお尻を上向きにした姿勢。腰や背中の痛さから逃れる為に行うことが多い姿勢でも。

 

ねじれたままの姿勢は、長時間持続することがあまり良くないと言われていることも多いため、寝返り前提の姿勢とも言えそうです。痛みから逃げる姿勢は、一時しのぎの姿勢とも言えそうですね。

 

(5)背臀位:はいでんい

あおむけで膝を上げ(曲げ)た姿勢です。

足を伸ばすことによる骨盤の緊張を解放し、腰痛となるのを予防してくれる姿勢でもあります。

 

(6)半腹臥位:はんふくがい

休息するには最も楽な肢位で、上半身(上肢:じょうし:肩関節から手の指先まで)はうつぶせで、お尻(臀部:でんぶ)を横にし、下半身(下肢:かし:股関節から足の指先まで)は、全関節を曲げた状態で、床側にある足より、上に重ねている足の方が、その屈曲度が大きい状態。この姿勢を長時間続けないよう、寝返り前提の姿勢とも言われています。

 

 

7)屈曲側臥位(くっきょくそくがい)

エビのように丸くなった横向きのこと。

望診で学んだ発生学的な診方をすると、この形は、生まれてくる前の母体の中にいる際の形に一番似ています。お腹の中の環境と外の環境は、大きく異なるため、寝返りは必要そうですね。

寝返りはした方が良い?しない方が良い?

寝ている時に限らず、起きている時も、同じ姿勢を長時間保つのは、身体に大きな負担をかけていることでも。

 

ということで、今のところ、寝返りは適度にとった方が良いと判断されています。

 

また、寝返りは昼間動かした身体の疲労回復をする役割とも言われていて、昼間の活動量と寝返りの数は比例しているようです。

 

その他に、寝返りが少ない子供は、脳神経の発達が遅れている可能性があるという説も。これが本当だったら、私も当てはまるのかしら?(汗)と思ってみたり。

 

また寝返りがうてない高齢者の場合、同じ姿勢のまま寝続けることで、褥瘡(じょくそう:圧迫されている場所の血流の滞りにより、皮膚の一部が赤色になり、ただれたり、傷ができ、やがてえぐれてしまうような症状。=床ずれ)ができるリスクもあります。

 

人により寝返りの回数も多少があるとは思いますが、ないよりはあった方が良いため、快眠するために、寝返りがうてるような空間(環境整備)も大切と言えます。

寝る姿勢も人それぞれ

色々書いてみましたが、結局のところ、その人の身体の状態により、寝る姿勢の良し悪しも人それぞれ。

 

預診で言うところの「体質」や「体調」が十人十色なのと同じく、寝る姿勢も、十人十色

 

ご自身が寝やすく、且つ、寝返りを妨げないよう配慮した環境での睡眠が良いということに。

 

ちなみに、預診的な観点から、眠りに入るのにベストな時間帯は、22:00以前がオススメ。こちらの理由などについては、また、そのうち、アップさせていただきます。

 

それでは、今晩も、素敵な睡眠をぜひ。